私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
「私、明日からちゃんと一人で頑張りますから……今日は……」

泣きだしそうな顔でカミーユは立ち上がり、食器を持って片付けに行ってしまった。

ニジェルたちはなすすべもなくそれを見送る。

「どういうおつもりですか? ガリーナ殿下」

レゼダがニッコリと微笑んで問うた。イリスにはその笑顔の後ろに怒りが見えていて怖い。

「どういうもこういうもありませんわ。レゼダ殿下ならおわかりでしょう? あの方は今はアレでも将来的には外交を担うのでしょう。今のままでは心許ないではありませんか」

「私の友達にあまり失礼な言い方はやめてください」

イリスが言えば、ガリーナは意地悪く笑った。

「失礼。わたくしも学友(・・)として教えて差し上げただけよ? あの程度で被害者ぶられてはわたくしのほうが心外でしてよ」

「!」

「それにイリス様、あなた、異国になれないわたくしのサポートをしてくださるのでしょう? あの子ではなく、わたくしの」

イリスはガリーナの一言でプツンと切れた。ガタンと立ち上がる。

それをレゼダが制した。

「イリス、座って」

レゼダの怒気を含んだ声に、イリスは驚きオズオズと座る。
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