私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
レゼダ様に怒られた……。
シュンとするイリスである。
「ガリーナ殿下。ご教授ありがとうございます。説明が遅れましたが、我が国ではこの学園に在学中に社交やマナーを学ぶのです。ここには私を含め完璧な者などおりません。学生の過ちは大きな目で見ていただけると助かります」
「とはいっても、アレは次代の聖なる乙女なのでしょう?」
「おっしゃるとおり『次代』のです。今学んでいるところです。ガリーナ殿下は各国の文化を学ばれるために遊学されているとか。文化の違いをはじめから否定するのは学びの妨げになりませんか?」
レゼダがあくまで友好的にニッコリと笑った。
「……」
ガリーナは悔しそうに口を噤んだ。
「ガリーナ殿下も慣れない土地での違いにはお困りでしょう? 言葉がわかること気持ちを理解することは別ですから。無理せず頼っていただければ、私たちはいつでもサポートいたします」
レゼダはそれはそれは美しい笑顔で、ニッコリと笑った。
すべてを許し受け入れる聖母マリアのような微笑みである。
「ありがとうございます。レゼダ殿下。わたくしも少し学びましたわ。わたくしの国とはスタイルが違うのね」