私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
「はい。ご理解いただけて嬉しいです。やはり聡明だと名の高いガリーナ殿下ですね」
「まぁ、レゼダ殿下ほどではありませんわ」
フフフ、ホホホ、などと笑い出し、イリスはチンプンカンプンである。
レゼダ様、なんだか知らないけど、丸く収めたみたい。それに比べて私って、王女に喧嘩を売ろうとしてしまった……。
ズーンと落ち込むイリス。
早くこの場から立ち去りたいとイライラするニジェル。
デッカーは無言のまま、語らうガリーナとレゼダを眺めていた。
ガリーナの部屋は女子寮内の特別室だ。寝室とリビング、小さなキッチンとバスルームがあり、従者の部屋がつながっている。デッカーは男性だが、王女の護衛として特別に女子寮での生活が許されていた。
ガリーナは相変わらずカミーユの不足を指摘する。といっても、昨日のやりとりで学んだのか、男子の前では猫をかぶり女子の前ではやりたい放題だ。
「カミーユ様は一歩下がりなさい」
ツンとガリーナが言えば、大人しくカミーユは一後ろに下がりデッカーの隣に立つ。
「ガリーナ殿下!」