離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです
聞き返しても、彼は答えない。
しかし、私を見つめる瞳が徐々に熱を孕んできたのに気が付いて、鼓動が速まった。
今まで付き合った男性たちもこんな目をしたことがある。ただし、私の裸を見る直前まで。
つまり、真紘さんが試そうというのは――。
「最後にやってみよう、夫婦生活。俺は絶対に萎えたりしないって約束する。今までだって、佳乃が欲しいのをずっと我慢してきたんだ」
訴えかける彼の表情には、いつもの余裕がなかった。
真紘さんが、ずっと私を欲しがっていた? 本当ならうれしいけれど、かつての交際相手みたいにがっかりされたらと思うと、臆病な自分が戻ってくる。
「嘘……だって、一年ですよ?」
「俺たち、恋愛結婚じゃないだろ? だから、佳乃が本気で俺を好きになってくれるまで待ってたつもりだったんだ。本気の相手なら一年くらい待つさ。……まぁ、かなりつらかったのは事実だけど」
はにかみながら語った真紘さんに、胸がトクンと鳴る。
記入済みの離婚届が傍らにあるというのに、絆されちゃダメだって思うのに、真紘さんへの気持ちが成長してしまう。