離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです

「ううっ……後で絶対に仕返しする」
「仕返し?」
「そ。今夜はどうかわいがってほしい? 一緒にお風呂入ってみる?」

 急に艶かしい目つきになった真紘さんにどきりとして、私は思わず噎せた。かぁっと頬が熱くなり、酔いが全身に回っていく。

「そ、それはまだ……ハードルが高いです」
「残念。じゃ、佳乃がその気になるまで飲ませちゃおうっと」

 冗談なのか本気なのかわからないが、真紘さんはそう言って、自分用のターコイズブルーに口をつける。

 変な話をしたせいで、お酒で濡れた彼の唇や喉仏の動き、グラスに浮いた結露をなにげなく撫でる指先を見つめるだけで、つい悶々とする。

 もう、これじゃ変態だよ……!

 頭を振って、一気にカクテルを呷る。すると真紘さんがまた次のカクテルを作ってくれて、私はふわふわと酔いに飲み込まれていった。





「そのテンマくんに、仕事奪われちゃってぇ……胸にぽっかり穴が空いたみたいなんれすよねぇ。あっ、それとこのぺしゃんこな胸はまったく関係ありませんから。元からなんれす、これは、あははは」
「わかったわかった。お酒はもうやめようね~」

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