離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです
脱衣所で服を脱ぎながら、「佳乃とお風呂入るの初めて」と真紘さんはうれしそうだった。
手を繋いで浴室に入った後はじゃれ合いながらお互いの体を洗い、最後にゆっくり浴槽にふたりで体を沈めた。
背中をぴたりと彼の胸に預け、ウエストの辺りでお互いの手を握っている。
「ヤバそうな専務だとは思っていたけど、そこまでとは……。佳乃、よく頑張ったな」
さっそく専務とのやり取りを報告すると、真紘さんはいたわるようにそう言ってくれた。
「……やりすぎたような気もしますけど」
「そんなことない。でも、ひとりで立ち向かうのは今回で終わりにした方がいい。会社の法務部とか、外部の弁護士とか、相談先はいろいろあるはずだから、そういうところに協力を仰ごう。佳乃になにかあったらと思うと、俺も気が気じゃないから。な?」
後ろから顔を覗き込まれ、私は神妙に頷いた。
真紘さんは「よし」と私の頭を撫でた後、なぜかため息をつく。
「それにしても、腹立つな。佳乃の胸についての言い草。これは俺のだっつーの」
お湯の中で、真紘さんの手がやわやわと私の小さな胸を揉む。
思わず肩が小さく震え、ちゃぷんとお湯が波立った。