離婚を申し出た政略妻は、キャリア官僚の独占愛に甘く溶かされそうです
真紘さんは私の体を反転させ、正面からギュッと抱きしめた。
「はぁ……かわいい。一生離さないから、いつまでも俺の手の中で啼いてて?」
「真紘さん……」
「……ベッド、行こっか。佳乃の中に入りたくて、爆発しそう、俺」
最後に軽いキスを交わし、私たちは半分濡れた体のまま、寝室に移動した。
胸だけじゃない。私の体も、心も全部、真紘さんのものだ。離れられるわけがない。
そんな想いを伝えるように、ギュッと彼の首にしがみつき、体を繋げる。専務とのやり取りでささくれ立った心も、真紘さんに優しく愛される中で自然と癒されていった。
真紘さんのおかげで大きく気を持ち直し、祝日であった翌日の昼には、真紘さんの同僚司波さんの自宅マンションへ遊びに行った。
奥様の花純さんに会うのは結婚式以来で、赤ちゃんはその時まだお腹の中だったから、今日が初対面だ。
玄関で司波さんと挨拶を交わしていると、廊下の奥に見えるドアの向こうから「ふぎゃぁ」と元気な泣き声が聞こえてきた。