再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

「ね、猫？」
「そう。女子には冷たくあしらっておかないと、勘違いしたりする子が出てくるし。なにより煩わしい。好きでもない女に纏わり付かれても嬉しくないからな」
「そ、それじゃあ……どうして、今は……？」
「聞きたい？」
「聞きたいような、聞きたくないような？」

　警戒音が先ほどから脳裏に鳴り響いている。
　逃げなくては。そう思う反面、誰にも見せていないという彼の本当の姿を見てみたい。
　そんな好奇心さえも湧き上がってきた。
　戸惑う真綾に近付き、央太は真剣な表情で言う。

「小関に俺のすべてを見てもらいたいと思ったから」
「え？」
「俺は今夜、小関を口説くために来たんだ」
「永江さん？」
「ずっとこの機会を狙っていたんだ。逃がさないぞ、小関」

　フッと目を細めて笑う央太があまりに素敵で、真綾は瞬きができないほど彼を見つめた。
　あとで思い返せば、その時点で真綾は央太に堕ちていたのだと思う。
　
　だが、相手はハイスペックな男性だ。周りにはキレイな女性も多いだろうし、才女もいるだろう。完璧な女性が多いはずだ。