再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 それなのに、これと言って特記することがない真綾に、彼はどうして好意を抱いたのか。
 
 このときは恐らく央太の気の迷いだと思ったのだが、告白の夜以降これでもかこれでもかという強引なアプローチを繰り返されることになってしまった。
 そして、彼の本気を見せつけられた形になり……。
 
 半ば折れるような形で、央太の手を取ったのだ。
 真綾にだけ本当の自分を曝け出してくる央太。いつでも優しく包み込むように愛してくれる彼に、心から惹かれるようになるのも時間の問題だった。
 
 すぐに、二人は順調なお付き合いを始めて愛を育んだ。そう、お付き合いは順調そのものだった。
 しかし、あの夜。二人の運命がガラリと変わってしまったのである。
 
 真綾が大学四年の冬。就職先も決まり、卒業論文の追い込みに入っている時期だった。
 年が明けてから真綾もそして央太もとても忙しくしていた。
 そんなこともあり、なかなか会う機会をつくることが出来ずじまい。
 でも、あらかた論文も終わりが見え始めた真綾は、央太にダメ元で連絡をすることにしたのだ。
 
 運がよければ、夕ご飯を一緒に食べられるかもしれない。
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