再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 それでも、央太といたい。同じ時間を過ごしたい。そんな気持ちはどんどんと加速していき、暴走していく。
 
「……彼に聞かなくちゃな」

 央太が永江家を継ぐことなく、今も尚、弁護士を続けている理由を。
 六年前の真実を、真綾は聞かなくてはいけない。
 そうしなければ、前にも進んでいけないだろう。
 手早く着替えを済ませ、バッグを持って央太が待つ駐車場へと足を向けた。

 * * * *

 デートと言われてはいたが、それは口実だと思っていた。
 今日こそは真綾の口から幹太の父親について聞きだそうと考えて、真綾を誘ったのだとばかり思っていたのだが……。

「本当にデートのつもり、だったんですね」
「だから、デートだって最初から言っていただろう?」
「……そうですよ、ね」

 確かに言ってはいたが、本気だとは思っていなかった真綾は戸惑ってしまう。

 車を走らせて辿り着いたのは、日本に帰国してすぐにやってきたショッピングモールだった。
 車から降りると、当然とばかりに彼は真綾の手を握りしめてくる。

 それをそれとなく退けようとしたのだが、ギュッと握ってきて離してくれない。
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