再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 弁護士として仕事をしているときのギャップが凄まじい。心臓が壊れてしまいそうにドキドキしてしまう。
 クスクス笑うだけで彼の手を取らないでいると、焦れったくなったのか。
 彼は、強引に手を掴んできた。
 そして、指と指とを絡め合わせる恋人繋ぎをしてくる。

 付き合っていた当初、彼は必ずこの繋ぎ方で真綾と手を繋いでいたことを思い出す。
 六年前、彼の前を去った頃には、こんな未来が再びやってくるなんて思えなかった。

「デートは始まったばかりだ、真綾」
「央太さん」
「今は何も考えるな。ただ、デートを楽しんでほしい」

 できるだろう、と彼は顔を覗き込んできた。その距離の近さに腰が引けると、それが面白くなかったのか。より央太は顔を近づけてくる。

 キスを彷彿させるような距離に、顔が一気に熱を持ってしまう。
 真綾の余裕がなくなったのを見て、彼はなんだかとても嬉しそうだ。

「ほら、行くぞ」
「あ、ちょっと待って。央太さんってば」

 強引に引っ張っていく彼に文句を言うと、真綾の方を振り返ってニッと楽しげな笑みを向けてきた。

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