再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「今の俺は、いつもの俺じゃない。真綾を傷つけるかもしれないぞ?」
「……」
「今なら間に合う。とにかく、帰れ」
「央太さん」
「帰ってくれ!!」

 再び背を向ける央太の背中に抱きついた。身体が震えている。そんな気がしたからだ。

「真綾、帰れ!」
「こんな央太さんを、一人になんてできないよ」
「いいから、帰れ……」
「央太さん」
「帰ってくれ……」

 最初こそ荒立った様子の央太だったが、段々と弱々しく懇願してきた。
 だが、そんな彼を一人残して立ち去ったら、ずっと後悔するだろう。
 彼の背中を抱きしめながら、首を何度も横に振る。

「帰らない」
「真綾」
「帰らないよ……央太さんを一人にして帰ることなんてできないよ」

 ギュッと彼の背中を抱きしめると、央太は真綾を振り返り抱きしめ返してきた。

「後悔するかもしれないぞ?」
「しないよ」
「真綾に酷いこと、するかもしれない。今日の俺は、優しくできない」
「いいよ。央太さんになら、何されても構わないよ」

 彼の胸板に頬ずりしてよりくっつこうとすると、央太はそのままベッドに押し倒してきた。
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