再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

　とはいえ、仲良しだったお友達と別れて日本に着いてきてくれた彼に、たっぷり日本を楽しんでもらいたい。
　真綾の生まれ育った国を、幹太にも好きになってもらいたいのだ。
　
　ウキウキ気分で今人気のヒーロー戦隊の主題歌を歌っている幹太を見て、真綾は目尻を下げつつ慌てて支度を開始した。
　
　電車に揺られること、三十分。昼前にようやくショッピングモールにやってくることができた。
　すぐさま戦隊モノのショップに行きそうになる幹太をひっ捕まえ、まずはファストフード店で腹ごしらえだ。
　
　世界各国にあるハンバーガーショップのハンバーガーを頬張ったあと、まずは幹太の夏物を見に行く。
　しかし、ヒーロー戦隊ショップに行きたくてウズウズしている幹太なので、とにかく適当だ。

「これとこれ。どっちがいい？」

　聞いても、上の空だ。もう、彼の心はヒーローに捧げているのだろう。
　仕方がないので幹太が好きそうな色目のTシャツを数枚と、ジャージ素材のハーフパンツを買い込む。
　
　レジでお会計をし終わり、足元を見る。だが、そこにいるはずの幹太がいなくなっていた。