再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 取っつきにくい印象があり、真綾としては関わりを持つのは極力止めようと思うような人物。よき先輩、よき後輩の線は越えないよう、気をつけていた。
 
 そんなクール過ぎる央太だが、それでも女子に半端なくモテる。
 ひっきりなしに女の子から声をかけられている様子を見て、恐らく女の子をとっかえひっかえしているのだろうと嫌悪感さえも抱いていた。
 
 しかし、関わりを極力持たなかった二人に転機が訪れる。半年に一度行われる反省会だ。
 反省会といえど、要するに呑み会だ。その席に、央太がめずらしく参加していたのである。
 
 央太は練習などには顔を出すが、そのあとの打ち上げなどには顔を出さずに帰っていく。それが彼のスタイルだった。
 だが、あの夜。央太は珍しく酒の席にいたのである。
 
 サークルの女子たちは、それはもう央太とお近づきになろうと必死だ。しかし、真綾はそれを白けた目で見ていた。
 この中の一人をお持ち帰りするのかしら。そんなふうに意地悪なことを思って嫌悪感を強めていたのだが、まさかお開きの後に真綾と二人きりで帰ることになるとは思ってもいなかった。
 
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