再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 その席の幹事は真綾だった。二次会に行こうと誘ってもらったのだが、酔いが回っていたので断ったあと、一番最後に店を出る。
 忘れ物などがないか、チェックするためだ。
 サークルのメンバーが誰もいなくなった頃、店を出るとそこには央太が一人壁に寄りかかっていたのである。彼に駆け寄り、真綾は声をかけた。

「どうしたんですか? 永江さん。皆は二次会に行きましたよ?」

 合流しそこねたのかと思って聞いたのだが、彼はゆっくりと首を横に振った。

「いや、小関を待っていた」
「え?」

 まさかの返答に目を丸くしてしまう。どうして真綾を待っていたのか。理由がわからず、首を傾げる。
 すると、彼は視線をフイッとそらして小さく呟いた。

「小関、酔いが回っているみたいに見えたから。心配になって」

 正直、驚いた。まさか央太がそんなことを言うとは思っていなかったからだ。
 真綾はますます目を丸くしてしまう。

「気がついたんですか? 私、酔っ払ってもあまり顔に出ないから、皆は気がつかなかったのに」

 驚きを隠せず戸惑っていると、央太は柔らかく笑った。

「顔には出ていなかったけど、声が」
「え?」
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