再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「甘えた感じになっていたから」
「っ」
「案の定、さっき靴を履くときによろけていただろう? そんな小関を一人で帰らせるわけにはいかない。危ないから」

 まさか央太がそんなことにまで気がつくとは思わず、ただただ驚いてしまった。
 確かに酔いが回ると、舌っ足らずになる。
 そのことに気がつかれたのも驚いたが、なにより靴を履いているところまで見られていたなんてビックリしてしまう。
 
 あれだけ大勢の人がいたのに、真綾が酔い始めていると心配して見守り、そして気遣ってくれていたのか。
 今まで抱いていた央太のイメージが、一気に覆された感じだ。もちろん、いい意味で。
 だからこそ、正直な気持ちが口から零れ落ちてしまった。

「永江さんて、冷たい人だと思っていたのに……あ!」

 かなり酔いが回っていたからだとはいえ、これは失礼だろう。
 慌てて口を押さえたが、零れ落ちてしまった言葉は戻しようがない。
 目を泳がせている真綾を見て一瞬呆気に取られていた様子の央太だったが、いきなり腹を抱えて笑い出したのだ。

「やっぱり小関は正直者だな」
「え?」
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