魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「大した怪我では……ありません……」

「これのどこが大した怪我ではないと言うんだ。……さっきの霧蛇にやられたのか?」

「おそらくそうでしょう」

 答えたのはパセットさんではなく、キールさんだった。

 双子の片割れの苦しみが伝わるのか、額に脂汗をかいている。

 どう見ても危険な状態だった。霧蛇にやられたのだとしたらなおさらだ。

 特殊な器官から、幻覚作用のある霧を吹き出す蛇である。牙には神経毒があり、獲物の血を凝固させない。

しばらくの間、血を外に出してしまえば自然と回復するけれど、傷が大きければそれだけ流れる血も多くなる。出血多量で命を落とすのはまぬがれない。

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