魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「ポーションは?」

「もう……使い、ました……」

 アベル王子の言葉に弱弱しく答えるパセットさんの横には、空の瓶が転がっていた。

 三本も使っているようなのに、効果が出ている気配はない。

 のんびりしている余裕がないのは明らかだったから、すぐにカバンからポーションを取り出す。

「これ、使ってください」

「助かる」

 短く言ったアベル王子が、ポーションの蓋を開けて傷口に勢いよくかけた。

 本当は飲んだほうが効果が出るけれど、今はこのほうが手っ取り早い。

「あと、これも」

 私が差し出した解毒薬も、アベル王子は豪快に振りかけた。

 自然と手が震える。

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