魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 薬の効果は知っているけれど、ここまで大きな傷にも通用するのかどうか。

 解毒薬だって、レシピにあったから作ってみただけで、実際にどれほどの解毒効果があるかは知らないのだ。

 冒険者に騙されて襲われかけた時よりも、魔物に追いかけられた時よりも、名前を知ってしまった人が死ぬかもしれない今が一番怖い。

 どうか、無事でいて。

 無意識に手を合わせて祈っていた。この世界の神様はよく知らないけれど、もし祈りが通じるのなら聞いてほしい。

「……え」

 ぎゅっと目を閉じて祈っていると、声が聞こえた。

「なんだ、これ……」

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