魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 さっきまで苦しんでいたパセットさんが身体を起こし、不思議そうに自分の傷を見下ろしている。

「大丈夫なのか?」

 アベル王子が尋ねると、パセットさんは狐につままれたような顔をしたまま首を縦に振った。

「大丈夫もなにも、傷が治っています」

「……は? 霊薬(エリクサー)を使ったわけでもないのに、そんなはずが──いや、治っているな」

 傷があった場所を確認したアベル王子も、困惑したように言う。

 キールさんも同じように傷を見てから、私に視線を向けた。

「かなり高価な薬だったのではありませんか。そんな貴重なものを、弟のために……」

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