再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
健斗にもう一度電話をしてみると、「現在この電話番号は使われていません…」に切り替わっていた。
何か事情があって一時的に連絡が取れないだけ。
そう信じてはいるものの、健斗と連絡が途絶えた今、子どもの将来は祥だけにかかっている。
健斗のことを想い、泣いている場合ではないのだ。
何としてでも就職しないと。
固い決意で初めての面接に向かう。
一社目のホテルは、泉ホテル程ではないがそこそこ大きなホテルだ。
落ち着け、落ち着けと言い聞かせながら面接に挑んだ。
担当者との受け答えは順調に進み、いい感触を得た。
「何か言いたいことはありますか?」
最後に聞かれたときに、妊娠していることを初めて他人に打ち明けた。
「出産予定は十二月なので、来年の四月からは普通に勤務できると思います」
必死で訴えたが、担当者のにこやかな顔は明らかに困惑の表情に変わっていた。
これはダメかな。
祥は重い足取りで家に帰った。
面接の結果はすぐにきたが、予想通りの不採用通知。
その後、四社面接を受けたが、いずれもダメだった。
就職して子どもを産み育てる。
そう決意したところで、祥の決意だけではどうすることもできない。
それが痛いほどよくわかった。