一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ
飛行機は少しふらついているようだが、ゆっくりと高度を下げているのがわかる。
紗羽と山根が息を詰めて見つめていたら、みるみるうちに機体は滑走路に近付いてきた。
「山根さん! 着陸するわ!」
「大丈夫、大丈夫ですよ紗羽さん! ちゃんとタイヤも出ています」
ふたりはお互いに言いきかせるように言葉を掛け合っていた。
右エンジンの煙はまだ消えていない。飛行機は滑走路に進入しつつある。
紗羽の目には涙が滲んできた。
目を開けてしっかり機体を確認しようと思うのだが、恐ろしくて一瞬瞼を固く閉じてしまった。
地表面に後輪が接地したのか、ズンという音が聞こえたような気がする。
それと同時に山根の声が聞こえた。
「紗羽さん、やりました! 着きましたよ! 大丈夫でした!」
山根も興奮したのか色々な言葉を口にしている。
「ああ……」
煙は消えてはいないが、飛行機は無事着陸できたのだ。
機体が止まったのを確認したのか、消防車や救急車が飛行機に向かって走り出した。
「紗羽さん、下のロビーに降りましょう」
「はい」
まだ膝がガクガクしていたが、紗羽は山根のあとに続いた。