一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ
「会社はモリスエ・エレクトロニクスの参加に入ってもらうが、名前は残す」
淡々と匡が話すと、清水が頭を下げた。
「森末社長、色々とありがとうございました」
「あの、清水さんはこれから……」
紗羽は清水が会社を辞めたと聞いてから、彼のこれからが気になっていた。
「妻の実家が神戸にありまして、電子部品の小さな工場なんです。そこで働くことにしています」
「東京から離れてしまうんですね」
「私はもう年ですから。紗羽さんのこれからは森末匡社長と山根秘書、そして三船さんが支えてくださいます」
「それでも……」
支えてくれるとはいえ、紗羽は住むところもなくなってしまったのだ。
今日からどうやって生きていけばいいのか、紗羽は顔を曇らせた。
「社長、紗羽さんをお迎えに行ったというのになにも話しておられないのですか?」
ムスッとした口調で社長秘書だという山根が匡に文句を言っている。
秘書というより、親戚のおじさんのような態度だ。
「ああ、悪い。話しそびれていた。君は今日からここに住むように」
「は?」