一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ
「君はなにをやっているんだ?」
照れ隠しもあってか、冷たい口調になってしまった。
「あ、おかえりなさい。匡さん」
「ただいま……それより、もういいから中に入りなさい。日に焼けてしまう」
すでに紗羽の肩のあたりは赤くなっている。
「あ、ほんとだわ。夕方だから大丈夫だと思ってうっかりしていました」
「すぐシャワーで冷やさないと」
「はあい」
匡は思わず紗羽の手首を掴んでしまった。
しまったと思ったが、彼女はなにも感じなかったのか手を引かれたままついてくる。
「今日はお帰りが早かったんですね」
「ああ……」
「お庭のスプリンクラーの調子が悪いそうなんです」
「ああ……」
いつの間にかふたりの手は指を絡めてしっかりと繋がれていた。
「お盆休みで、工事に来られないらしくて」
「そうらしいな」
手の温もりとは裏腹に、淡々とした会話が続く。
テラスではバスタオルを持った三船が待ち構えていた。
「紗羽さん、すぐシャワーしましょうね」
「あ、でも匡さんが」
「私は後でいい。先に肩を冷やしなさい」
「はい!」
元気に返事をすると紗羽は飛ぶように走ってバスルームにいってしまった。