シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
展望台で、彼の搭乗したと思われるドバイ行きの航空機を見送り、彼からの玉手箱を開けた。

シックな黒のジュエリーケースの中身はシルバーの手作りのハート型のネックレス。彼の手作りだろうか?

ギョーザの皮も包めない不器用な彼が作ったんだと思うと一層愛着が湧く。


********

彼がドバイに行き、一週間が過ぎた。

私は彼から貰った手作りのネックレスを身に付け、小夜子さんの店を訊ねた。

「弥紗さん…いらしゃい」

彼女にしてはナチュラルメイクに長い髪はピンク色のシュシュで一括り、Gパンに黒のエプロンと言うラフな格好で店に立っていた。

「あら、慧斗が苦労して作ってたネックレスつけてるね」

「あ…やっぱり、このネックレスは彼の手作りなんですか?」

「三年目の結婚記念日にサプライズでプレゼントするって張り切って作っていたのよ。ペンダントトップも彼のデザインよ」

「・・・」

もしかして、小夜子さんと会っていたのはこのネックレスの制作の為?

「でも、離婚したのね…」
「色々とあって…小夜子さん、ありがとう御座います」
私はそそくさに店を出た。

< 36 / 90 >

この作品をシェア

pagetop