双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
「俺、カレーを浴びたのははじめてだよ! 晴馬お前やるなぁ!」

その、手放しの笑顔に、双子が目をパチクリさせてから、つられたようにケラケラと笑いだした。

葵が急いで濡れタオルを取りにいく間も、三人は笑い続けていた。

「でもカレーは投げるもんじゃない、食べるものだ。ほら、ママがバナナを持ってきてくれるから、それで許してくれ。悠馬は取られないうちに食べような」

髪に衣服にカレーがついてもまったく気にする様子もなく、またスプーンで悠馬にカレーを食べさせている。

そんな彼を、タオルを濡らしながら見つめるうちに胸が切なく締め付けられて、葵はあることに気がついた。

彼も自分と同じ立ち位置なのだ。

さっき葵が否定できなかったことと晃介のミニチュア版みたいな双子の見た目に、彼は双子が自分の子だと確信しているのだろう。

カレーをかぶっても気にしないどころか、どこか嬉しそうですらあった。

「バナナは投げないでくれよ」

そんなことを言いながら悠馬に笑いかける姿に、葵の胸はキリリと痛んだ。
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