エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「すみません、大丈夫です」

 よって謝った。電話の向こうで、和臣の声が緩んだのが伝わってくる。

『ありがとう。じゃあ、いつがいいかな。仕事をしてるんだよな? ほかにも都合をつけないといけないと思うし……梓に合わせるよ』

 和臣が気遣うことを言ってくれて、梓は少し考えた。

 仕事のシフトや休みがあるし、和の幼稚園も……、そうだ。

「その……、和は連れて行ったほうが……?」

 それだ。

 和臣は仮にも和の父親である。

 和を連れて行くのが相応しい。

 でも子どもの耳に入らないほうがいい話になる可能性は、大いにあった。

『ん……、俺は会いたいけど、聞かせていいのかな……』

 少しだけ電話の向こうの声が濁った。

 梓と同じことを危惧した内容に、梓はなんとなく嬉しくなってしまった。

「そう、ですよね。じゃあ、少し預けていこうと思います」

 今回は置いていったほうがいいだろう。

 会わせるのは話が済んでからのほうがいい。

 今後のことが、しっかり決まってからのほうがいい。

 今の状況ではきっと混乱させてしまうだろう。
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