エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 じわっと梓の胸が熱くなる。

 この事実だけで、和臣に対する気持ちが膨らんでしまったのだ。

「いいえ。じゃあ、預かっていただく先のご都合を伺ってから、またご連絡してもいいですか?」

 しかし口に出すことではないだろう。

 梓は違うことを言った。

『ああ、勿論。頼むよ』

 今回はそれでおしまいになった。

 後日、詳しく日程や場所を決めることになって、電話より都合がいいからと、口頭でメッセージアプリのIDを交換する。

 以前梓が知っていたものとは変わっていた。

 向こうもスマホを変えたり、なにかあったのかもしれない。

『じゃあ、また。……電話、本当にありがとう。嬉しかった』

 切る前、和臣はそう言った。

 はじめにもそう言ったのに、繰り返した。

 きっと心からそう思っていて、梓にもわかってほしいと思うからだろう。

 伝わってきて、梓の胸をまた、じんと熱くした。

「いいえ。……私も、お話できて……良かったです」

 だから素直な気持ちを口に出す。
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