エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 まだなにも解決していない。

 なにも決まっていない。

 それでもこの電話がその一歩だったのだ。

 踏み出せて、良かったと思う。

『そうか。ありがとう』

 そんなやりとりで電話は終わった。

 切れた電話をそっと耳から下ろして、梓は小さくため息をつく。

 でも嫌な意味ではなかった。

 やり遂げたという安堵。

 それ以上に、和臣との話が嫌なものではなかったという嬉しさ。

 そのふたつからだ。


 あとで百合子さんに聞いてみないと。
 またお願いしちゃって悪いけど……なにかお礼をしなくっちゃ。


 思ったけれど、もう夜も遅くなりつつある。

 明日以降がいいだろう。
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