エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
 もう一度重ねて言われて、しかもさらに強い内容になって言われては、もう否定はできない。

 梓はまた黙るしかなくなった。

 和臣は顔を上げて、今度は真っ直ぐに梓を見た。

 梓は見つめ返せなかったけれど。

「梓の本当の気持ちはわからない。だが事実としてすべて俺のせいだ。梓を妊娠させたのも、独りぼっちにさせたのも……シングルマザーになんてさせたのも」

 嫌な言い方だった。

 妊娠させた、なんて、まるで望まない妊娠だったようではないか。

 梓はそう思ったが、ただの『事実』を述べるとしたら、そういう表現になるしかないのだ。

 そうわかったので、その点は指摘しなかった。

「……いいんです。謝ってほしいなんて、思ってないです」

 よって違うことを言った。

 和臣の声が必死になる。

 梓にこちらを向いてほしい、というような声音になったが、それには応えられない。

「思ってくれよ。……怒ってくれよ」

 その声でそう言われた。

 梓の胸が、ずきりと痛んだ。

 胸の痛みなんて今更、と思ったが、痛みが生まれたことで、なにかがほんの少し変わったのかもしれない。

「怒る理由なんてないですから。……私は『今』に不満なんてありません。私は独りじゃないですし、和を授かったことを後悔も憎みもしていません」
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