エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない
「お金もなにも要りません」

 そう言った。

 きっと『謝る気持ち』のひとつではあるだろう。

 慰謝料とか。

 生活費とか。

 養育費とか。

 こういったことを収束、解決させる手段として、大きな候補のひとつである。

 もしくはもうひとつ……。

 でもそちらの可能性は考えたくなかった。

 そちらだって受け入れることなんてできないのであるし。

「……じゃあ、俺は梓を」

 和臣が切り出したのは、きっとそのもうひとつだった。

 聞きたくなくて、梓は強い口調で言っていた。叫ぶのにも近かった。

「もっと要りません!」
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