【短編】悪役令嬢は全力でグータラしたいのに、隣国皇太子が溺愛してくる。なぜ。
 王太子殿下を追い出したフレッドが戻ってきて、心配そうに私の顔を覗き込む。

「ユーリ様、大丈夫ですか?」
「ええ、婚約解消してから三カ月も経つというのに驚いたわね。まったくいい迷惑だわ」

 それにお父様も実は相当怒っていたようだ。宰相を務めるお父様が王太子殿下の処罰を求めたなら、きっともう終わりだろう。

「では、俺が求婚しても迷惑でしょうか?」
「え……?」

 突然の展開に驚き、言葉が続かない。

「ユーリ様と過ごすうちに、いつの間にか心惹かれておりました。この身に変えてもユーリ様を一生守り抜くと誓います」
「そ、そんな……急に言われても……」
「……俺をただの男として見てもらえませんか?」

 フレッドと過ごした帝国での日々は、本当に穏やかで癒される毎日だった。ずっとずっと誰にも頼らず頑張ってきた私に、守ってくれると言ってくれるの? もう、ひとりで頑張らなくてもいいの?

「こんなダラのプロを目指すような私で幻滅しないの?」
「ははっ、あれには驚きましたが、その前に十分お仕事されてましたから。メリハリがあっていいと思います」
「本当に、ずっと、一生守ってくれるの?」
「はい、この剣に誓って。俺は生涯ユーリ様だけを愛し、お守りいたします」

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