【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
いつもクラレンスの羽織っていた真っ黒なローブは二人の距離が縮むのと同時に取り払われていく。
アイスブルーの髪は肩についていて男性にしてはやや長めだろうか。
ディープブルーの瞳は宝石のようにキラキラと輝いて見えた。
何より美しい髪と瞳を見ると大好きになった雪や氷を思い出す。

いつの間にかクラレンスの優しさは、カトリーナの救いになっていく。


「今日は二人で食事をしよう」

「……二人で?」

「どうした?」

「私は……クラレンス殿下と食事できる立場ではありません」


カトリーナはそう言って眉を顰めた。
サシャバル伯爵家でも当然だが、彼らと一緒に食事したことなど一度もない。


「立場など関係ない。俺がそうしたいと思った」

「…………!」

「理由などそれで十分だ」


クラレンスの力強い言葉にカトリーナを目を見開いた。
命令を仰がなければ動けないカトリーナからしてみればクラレンスには強く眩しく輝いて見える。
カトリーナは彼に強く惹かれていくのを感じていた。


「私は、ここに置いてもらっているだけでもありがたいです……これ以上、幸せになったら」

「……なったら?」

「…………」
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