【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
カトリーナはその言葉に目を見開いた。これは独占欲というものではないか。
頬がカッとなったのを誤魔化すように、カトリーナは俯いた。
しかし折角、クラレンスが時間を使ってくれているからと気持ちを切り替える。
離れようとするクラレンスの腰に自分から手を回す。
熱くなっていく体にひんやりとしているクラレンスの肌が気持ちいい。
「おい……!」
「クラレンス殿下、ダンスを教えてください」
「ああ……だが、触れていて冷たすぎないか?」
「大丈夫です。ひんやりとして気持ちいいですよ?」
カトリーナがそう言うとクラレンスは大きく目を見開いたあとに、ふといつもの表情に戻る。
ダンスの練習をはじめるものの、クラレンスの足を何度も何度も踏んでしまい、カトリーナは泣きそうになっていた。
しかしクラレンスは気にすることなく平然と「最初は誰もがそんなものだ」と言っている。
けれど彼のリードが上手いのか次第になんとなくではあるが足を踏まずに踊れるようになっていく。
どのくらい時間が経っただろうか。クラレンスから声がかかる。
「続きはまた明日だ。久しぶりに踊った気がする。案外、疲れるな」
「あのっ……ありがとうございます。とても、楽しかったです」
「そうか。俺もだ」