【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
カトリーナは精一杯、恩が返せるようにと努力しているつもりだが、もらっている分を考えたら全く足りない。

そのまま数ヶ月の月日が経って、気候もよくなり雪も舞うこともなくなっていった。
カトリーナも令嬢としての立ち振る舞いを身につけて、だいぶ形になってきたように思う。

クラレンスはいつものようにトーマスと共に国境の見回りに向かった。
ナルティスナ邸に今までに見たことがない豪華な馬車が連なって止まっているのを見て、カトリーナは驚いて掃除の手を止めた。
ニナとゴーンが馬車を見て慌て玄関へと迎えに行く。

馬車の中からは上品で煌びやかなドレスを纏った女性と、オレンジ色の髪に金色の瞳の高級感のある服を着た青年が降りたってくる。
ニナとゴーンが対応している間に、カトリーナは来客を迎える準備を黙々と行っていた。


「ニナ、ゴーン……!久しぶりね」

「王妃殿下、驚きましたわ!」

「近くまで来たものだから、クラレンスの顔を見たくなって。急にごめんなさいね」

「兄上は全然王都に来ないからね。もしかして国境の見回りの時間と被った?」

「はい、そうでございます」

「オリバー殿下、お久しぶりです」
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