【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「ニナ……これは一体どういうこと?」

「え……?」

「手紙に書いてある内容と違うじゃない。本当にこの子がクラレンスと?」

「はい、そうですが……」


ニナは平然と首を傾げているがカトリーナは緊張からか、頭を下げた。
王妃の雰囲気や言葉を聞いて反射的に責められると思っていたからだ。
カトリーナが深々と頭を下げていると王妃から「顔をあげてちょうだい」と声がかかる。
カトリーナはゆっくりと顔を上げた。


「ちょっと母上、いきなり失礼ですよ……!」

「オリバー、おだまり。これは一大事なのよ」

「ですが……」

「それにクラレンスのためでもあるの」


その言葉を聞いてカトリーナは急に恥ずかしくなった。
こんなに近くにいてもクラレンスはやはり遠い存在だと改めて思い知らされる。
恐らく王妃はカトリーナがクラレンスの側にいることに否定的なのだと思った。

そんな時、パタパタと遠くから足音が聞こえてくる。
時間的にクラレンスとトーマスが帰ってきたのだと思った。

カトリーナの頬にそっと王妃の手が触れる。
叩かれると思ったカトリーナが反射的に目を瞑り体を固くした。
その瞬間、体が包み込まれるように抱きしめられることに気づいてカトリーナの頭は混乱していた。
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