【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで

なんとか表情を取り繕うものの、クスクスとシャルルを馬鹿にするような笑い声が聞こえてくる。

(どうしてわたくしがこんな目に遭わないといけないのよっ!)

アリーリエは令嬢の友人がたくさんいてシャルルには一人もいない。
アリーリエは公爵家の生まれで権力を持っていてシャルルは持っていない。
アリーリエはオリバーにエスコートを受けていたのにシャルルはオリバーに振り向いてもらえない。
シャルルがアリーリエに負けてしまうということは許されないのに……。

シャルルの頭の中にカトリーナの顔が思い浮かぶ。
惨めで汚くて可哀想なカトリーナ。
その姿を思い出して、左右に瞳が揺れ動く。

(わたくしも……?)

カトリーナと同じ状況ではないかと恐怖を感じた瞬間、シャルルはテーブルにあったグラスを手に取ってアリーリエへと思いきり投げつけた。


──ゴンッ!


シャルルが投げたグラスがアリーリエの額に当たって重たい音を立てた。
< 132 / 218 >

この作品をシェア

pagetop