【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
もしカトリーナがシャルルのように育っていたのなら、こんな風に悩まずに済んだのだろうか。
堂々と隣に立つことができたなら、どんなによかっただろう。
カトリーナは、はじめてシャルルが羨ましいと感じた。


「相応しいかどうかは俺が決める。周りは関係ない」

「…………!」

「俺がカトリーナがいいと思った」


クラレンスのその言葉はカトリーナの全てを肯定しているような気がした。
カトリーナの瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちる。
悲しい、苦しい、辛い……そんな気持ちでしか今まで泣いたことはなかったのに、今は嬉しくて涙が溢れてくるのだ。
最近は泣くことすらできなくなっていたのに、カトリーナは喜びや嬉しさの感情が押し出されるような気がした。
クラレンスの言葉がカトリーナに光を与えてくれる。

クラレンスはカトリーナの頬を両手で包み込むように触れた。
視界が涙で滲んでいく。


「泣きたい時には泣けばいい。辛い時は辛いと言ってくれ」

「……っ!」

「俺の前では笑っていて欲しい」
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