【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
しかしそれもひ弱そうな護衛の男によって阻まれてしまう。
護衛の男はシャルルに軽蔑したような眼差しを送る。
シャルルが文句を言ってやろうとした瞬間に、クラレンスの形のいい唇が僅かに動いた。


「……それ以上、口を開くな。虫唾が走る」


そう吐き捨てるように言ってクラレンスはシャルルと目を合わせることなく背を見せた。


「え……?」

「サシャバル伯爵、いい回答を待っているぞ」

「……っ」


そう言ってクラレンスはシャルルに見向きもせずに去っていった。
母もシャルルもその場に呆然として立ち尽くす。

(……なによ、今の態度。信じられない)

シャルルがこんなにも優しくしているのに、クラレンスの拒絶的な態度に怒りが湧いてくる。
それと同時にカトリーナに親切にしていた姿を思い出す。
その対応の違いにシャルルは苛立ちを隠せない。


「わたくし……頑張ったのになんで?」

「シャルル、もうやめてくれ……っ!」

「お父様が邪魔するから、クラレンス殿下が帰っちゃったじゃないのっ!」
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