【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
クラレンスとトーマスがサシャバル伯爵家に向かった後、不安で胸が押し潰されそうだったが数時間で帰ってきた。
同行していたトーマスが吐き捨てるように「気分が悪い」と言った。


「クラレンス殿下、大丈夫ですか?」

「ああ……怒りを抑えるのに必死だった」

「そうでしょうね。オレもです」


夫人とシャルルに話が通じないことは明らかだったため、彼女達ははじめから相手にしなかったそうだ。
サシャバル伯爵は全面的に条件を飲むつもりのようだと聞いてカトリーナは安心から息を吐き出した。

そしてカトリーナは書面上ではジベル伯爵家の養子となるらしい。
王妃の生家で弟が爵位を継いでおり、王家と古くから付き合いがあるジベル伯爵家。
カトリーナとクラレンスのためならばと喜んで引き受けてくれたらしい。
ジベル伯爵家には息子が二人おり、カトリーナより年は上だそうだ。
そしてすぐに手続きを行い、クラレンスの婚約者として舞踏会で発表を行うことになった。

ナルティスナ邸へと帰ってから、カトリーナはクラレンスに釣り合うようにと城の講師達をナルティスナ領に呼んでもらい、マナーや立ち振る舞いを教えてもらうようにお願いしたのだ。
クラレンスは「そのままでいい」と言っていたが、カトリーナはクラレンスの隣に並ぶにはこのままではいけないことはわかっていた。
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