【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
サシャバル伯爵夫人とシャルルの言葉にカトリーナは俯くことしかできなかった。
しかしサシャバル伯爵は納得いかないのか声を上げる。


「令嬢としてのマナーも振る舞いも何も知らないんだぞ!不敬と難癖をつけられたら……?サシャバル伯爵家の名前に傷がつくことだけは避けなければならないっ!」


どうやらカトリーナを身を案じての言葉などではなく、伯爵家の心配をしているだけなのようだ。
期待しても無駄だとわかっていたはずなのにカトリーナの胸はまだ痛む。
カトリーナは眉を顰めてグッと乾いた唇を噛んだ。


「どうせ死ぬんだからどうでもいいじゃない」

「お母様の言う通りよ!誰にも愛されずに極寒の地で野垂れ死ぬなんて……アンタにお似合いのいい最後ね。ウフフ」

「サシャバル伯爵家の家名に傷をつけたくないんだ!わかるだろう!?」

「あなたは何を言っているのか、わかっているのかしら?シャルルが大事じゃないのっ!?」

「大事に決まっている……!」

「だったら期限の一カ月までにマナーでもなんでも叩き込めばいいでしょう!?サシャバル伯爵家の評判なんてシャルルがオリバー殿下と婚約すればあっという間に元通りだわ!」
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