【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「いい加減に現実を見てくれ……!これ以上、ベル公爵を怒らせたくはない!」
「あなたがもっと協力してくれたら絶対に上手くいくわ!」
言い争う二人の声をどこか他人事のように聞いていた。
シャルルをどうしてもオリバーとの婚約者に押し上げたい。
王族と繋がりを持ちたいと思っているサシャバル伯爵夫人は、自分が王太子と結婚したいという夢を破れて伯爵家に嫁いだことを不満に思っている。
だからこそシャルルに自分が叶えられなかった夢を叶えさせようと必死なのだと侍女達が「シャルルお嬢様には無理よ」「全て無駄なのにね」と、馬鹿にするように話していた。
サシャバル伯爵夫人とは真逆で伯爵は安定を望んでいる。
本来ならば婿をもらい、シャルルと結婚させて跡を継いでもらいたい。
一度伯爵家が傾き危機感を持っているからこそ、そう考えなのだろう。
二人の意見は対立していて、どちらも譲るつもりはない。
しかし社交界には今、シャルルの悪い噂ばかりが流れていく。
夫人はシャルルを可愛がりすぎて現実が見えていない。
サシャバル伯爵は立場的に夫人に強くは出られない。
サシャバル伯爵家の評判を落としたくないが、どうすることもできずに現実から逃げるように酒ばかり飲んでいる。