【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「役立たずでも取っておいてよかったわね!さっさと国王に手紙の返事を書いてちょうだい。一カ月後にサシャバル伯爵家の娘が向かうとね……!」
「アハハハッ、あーよかった。目障りな奴がやっといなくなるのね」
カトリーナは肩を震わせながらサシャバル伯爵を見る。
しかし彼はあの時と同じように眉を顰めたまま視線を外らしてしまった。
その瞬間、カトリーナは全てを諦めるしかないと悟ったのだ。
俯いたカトリーナを助ける者は誰もいない。
サシャバル伯爵夫人はカトリーナにある程度の立ち振る舞いを教えるために講師を呼んで、容赦なくマナーや知識を叩き込んでいった。
上手くできなければ鞭で叩かれる。気絶しても吐いてもお構いなし。
それを楽しそうに見ているシャルルとサシャバル伯爵夫人には殺意すら覚える。
シャルルは自分が辺境の地に赴く必要がないことがわかり、またいつもの傲慢さと高圧的な態度に戻ってしまう。
その後にいつものように邸の仕事をやるように命じられて愕然した。
しかしカトリーナに抵抗する術はなく従うしかない。
カトリーナは皆が寝静まっても掃除を続けて、数時間休んだ後にまた講師達によって怒鳴られる。
毎日、その繰り返しだった。