【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
そして寒いと聞いていたため、防寒用に持っていこうとした布も奪われてしまう。
「ぁ……」
珍しく抵抗するように手を伸ばしたカトリーナだったが、シャルルは布を床に捨てて、ヒールで踏み躙ってから耳元で囁いた。
「こんなボロ布、意味ないわ。ちゃんと向かったけど寒さに耐えられなかった。それなら仕方ないわよねぇ?」
「シャルル、よしなさい」
「はぁい、お母様」
布の代わりに馬車の中でマナーを復習しろとサシャバル伯爵夫人から渡されたのは十冊ほどの本がいれられた鞄だった。
今まで一緒に働いていた侍女達からはカトリーナを憐れむ視線が降り注ぐ。
重たい本を持ち上げることができずに、立ち止まっていたカトリーナに向かってシャルルの金切り声が響いていた。
「さっさと馬車に乗りなさいよ……!」
「シャルル、落ちつきなさい」
「だってお母様……この女、なんだか前よりも目障りなんだもの!早く消えて欲しいのっ」
二人の会話を聞き流しながらカトリーナは頭を下げて三人に背を向けた。
今からいい噂がない第一王子クラレンスが住む極寒の地、ナルティスナ領へと向かう。
カトリーナは力を込めて鞄を持ち上げて古い馬車に足を進めた。
「ぁ……」
珍しく抵抗するように手を伸ばしたカトリーナだったが、シャルルは布を床に捨てて、ヒールで踏み躙ってから耳元で囁いた。
「こんなボロ布、意味ないわ。ちゃんと向かったけど寒さに耐えられなかった。それなら仕方ないわよねぇ?」
「シャルル、よしなさい」
「はぁい、お母様」
布の代わりに馬車の中でマナーを復習しろとサシャバル伯爵夫人から渡されたのは十冊ほどの本がいれられた鞄だった。
今まで一緒に働いていた侍女達からはカトリーナを憐れむ視線が降り注ぐ。
重たい本を持ち上げることができずに、立ち止まっていたカトリーナに向かってシャルルの金切り声が響いていた。
「さっさと馬車に乗りなさいよ……!」
「シャルル、落ちつきなさい」
「だってお母様……この女、なんだか前よりも目障りなんだもの!早く消えて欲しいのっ」
二人の会話を聞き流しながらカトリーナは頭を下げて三人に背を向けた。
今からいい噂がない第一王子クラレンスが住む極寒の地、ナルティスナ領へと向かう。
カトリーナは力を込めて鞄を持ち上げて古い馬車に足を進めた。