【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
シャリという音と共にカトリーナは真っ白な地面に降りる。
カトリーナは心配そうにこちらを見ている御者に頭を下げて見送った。
馬車が去っているのをずっと見ていた。
空からはパラパラと白い塊が落ちてくる。カトリーナはずっと空を見上げていた。

(なんだろう。これ…………とても冷たい)

手のひらに落ちても消えてしまう。
白い絨毯を見ながらカトリーナは静かなこの場所に立ち尽くしていた。
靴に染み込んでいく冷たい水の感触と、カバンの中に入っている本も濡れていることに気づく。

(大変……早く移動しなきゃ)

カトリーナはカバンを持ち上げて、悴んだ足を動かしていた。
目の前には真っ白な壁と青い屋根をした邸があった。
その上には同じように真っ白な何かが積み上がっていく。

門の前まで来たカトリーナだったが、訪問のやり方がわからずに立ち尽くしていた。
本をペラペラとめくりながら確かめていたが、誰かに声をかけられるまで待っていた方がいい、または従者がベルを鳴らす。
そう本に書かれてあったが、カトリーナには従者はいない。

(行儀見習いとして来たからマナーは関係ないの?でももし失礼があって、中に入れてもらえなかったら……?)
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