【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「サシャバル伯爵家に帰りたかったのだろう?そのためなら手段も選ばないということか。その性格の悪さでベル公爵の怒りを買ったのだろう?」
「違い、ます。私は……っ」
ローブに包まれた暗闇から鋭い視線を感じる。
暖炉の前にいるはずのに寒さが増したような気がした。
カトリーナはゴクリと唾を飲み込む。
反射的に否定してしまったが、よくないと思い口を閉じる。
しかし意外にもゴーンとニナがカトリーナを庇うように声を上げた。
「クラレンス殿下、待ってください……!これは違うと思いますっ!シャルル様は驚かれてしまっただけだと思うのです」
「私もそのようなつもりで申し上げてはありません!こんなに薄着なのも気になりますし……シャルル様に詳しく話を聞くべきではないかと思いまして!」
「ニナもゴーンも黙っていろ。俺はシャルル・サシャバルと話をしている」
カトリーナは黒いローブで全身を覆われている男性がこの邸の主人で〝呪われた王子〟と呼ばれているクレランスだと気づく。
(この方が、クラレンス殿下……)