【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
サイドテーブルには銀色のクローシュが置かれていた。
その隣にはグラスと水が入った透明なガラス瓶。
喉の渇きを感じていたが、カトリーナは勝手に手を出すわけにはいかないと堪えていた。

辺りを見回してみるとカーテンが開いている大きな窓がある。
風が吹いているのかビュービューと音がした後に白い何かが猛スピードで通り過ぎていく。
窓ガラスは風のせいかカタカタと揺れている。
カトリーナはその様子をじっと見つめていた。


「よく眠れましたか……?昨日からずっと吹雪なのですよ」


優しい声が後ろから聞こえた。
カトリーナがゆっくりと振り返るとそこにはニナが起き上がり、笑みを浮かべていた。


「あ……」


カトリーナはなんとなくではあるがニナにたくさん迷惑をかけてしまったことを覚えていた。
「申し訳ありません」と小さく呟いてから怒号が飛んでくるのではないかと体をこわばらせて俯いていたが、ニナは何もしてはこない。

(どうして怒られないの……?)

そして水の入った透明なガラス瓶を持ってグラスに水を注ぐ。
そしてカトリーナに手渡してくれた。
グラスを受け取ったカトリーナはニナの意図がわからずに、そのままの体勢で固まっていた。
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