【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
王都までは早くて半日ほどで着くだろうか。
そこから調査をして返事が返ってくるまでにどのくらいの時間がかかるのかはわからない。
どんより暗くなる空は今は嘘みたいに晴れ渡っている。
クラレンスは黒のローブを取り去って着替えていた。
久しぶりに国境の見回りに行かなければならないからだ。


「トーマスを連れて国境の見回りに行く」

「了解しました」

「それからゴーン、ニナ。カトリーナに何かあったらすぐに知らせてくれ」

「かしこまりました」


今は部屋で大人しくしているようだが、隙があれば働こうとする。
トーマスを見張りにつけても、カトリーナは基本的に邸の主人であるクラレンスの言うことしか聞かない。
クラレンスは働こうとするカトリーナを部屋に戻すということを繰り返している。

「カトリーナ、お前の仕事は食べて休むことだ」
クラレンスがそう言えばカトリーナは悲しそうな顔をする。
その表情がクラレンスをなんともいえない気分にさせた。
ある意味、吹雪で外に出られない一週間はカトリーナに振り回されていた。
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