【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
カトリーナは恥ずかしくなり上がっていた口角はスッと下がってしまう。
なんだかくすぐったくて不思議な気持ちだった。
クラレンスに顔を見られれないように、その場にしゃがみ込む。
自分の気持ちを誤魔化すように指を一本、雪に突っ込んで上げて、また突っ込んでと無数の穴を開けて遊んでいた。


「……何をしている」

「触れると消えるのですね。雪は」

「…………」

「穴がたくさん空いたまま、固まってますね」

「…………くくっ」


何故クラレンスに笑われているのかわからないまま、カトリーナは眉を顰めた。
カトリーナは指の感覚がなくなっていることに気づいて驚いていた。


「指が冷たくなります」

「当たり前だ」

「当たり前なのですね。覚えておきます」

「お前と話していると自分の常識を疑いたくなる」

「何故ですか?」

「……。何故だろうな」


クラレンスはカトリーナを見ているような気がして、じっと見つめ返していた。
淡々とした二人の会話をニナやゴーンがハラハラしながら見守っているとも知らずに二人の間に沈黙が流れる。

カトリーナは視線を戻してから、今度は雪を掴むと丸く固めていく。
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