【書籍化&コミカライズ】虐げられていた身代わり令嬢が呪われ王子に溶けるほどに愛されるまで
「……何をしている?」
「何か作れそうだと思いまして」
「その雪で?」
「はい。本にはたくさんの動物が載っていました。本物を見たことはありませんが」
「ほぅ……それで、その歪な物体はなんだ?」
「ウサギです」
「ふっ…………失礼」
「似ていませんか?」
「いや……かなり個性的だな」
カトリーナが次々に雪を丸めて動物を作っていく。
何かが違うと、じっと出来上がったものを見つめて考え込んでいると、見兼ねたクラレンスが魔法を使って様々なものを作ってくれた。
大きな雪の塊でできた兎や艶やかな氷の鹿、雪でできた木や氷の花が次々とカトリーナの前に現れる。
カトリーナはその光景を目を輝かせながら見ていた。
(……夢みたい)
式典などに参加すれば王族の魔法を間近で見られることはあるらしいが、サシャバル伯爵邸から出たことがないカトリーナにとっては夢のような景色に見えた。
「これが……魔法、ですか?」
「王族は魔導師の力を継いでいる」
「歴史書に、そう書いてあるのを読んだことがあります」
「そうか」